2009年6月14日日曜日

砂にしみた夢

一日中歩きまわった鳥が、太陽の温もりを吸いこんだ砂の上で眠っています。

適度に暖まった砂のベッドが、鳥の疲れも吸い取ってくれます。
砂の中にはいろんな生き物たちの一日が吸い込まれていて、鳥はみんなにあった出来事の夢を見ています。

夏が近づくこの季節は、夜道を歩いていると生暖かい風が海の匂いを運んで来て、遠い島に行ったときのことを思い出します。

2009年6月5日金曜日

雨の日

雨の日はとても静かです。

いつもは窓を覗くと鳥が飛んでいるのが、雨の日になると姿がみえなくなります。
自分たちの巣に戻って雨をしのいでいるのでしょう。
そんな日は外がとても静かで、あんな小さな鳥たちがいないだけでも、町は静かになるんだな、町を賑やかにしているのは、人間だけじゃないんだな、と思います。

少し寂しい気持ちになっている時、空からわずかな晴れ間がみえて、小鳥が何匹か現れるとほっとします。

窓越しに映る自分の姿が、晴れるのを待ちどうしく思いながら雨宿りしている鳥にみえました。

2009年6月2日火曜日

あのね

この作品は、鳥の母子が見つめ合って会話している様子です。

今日外であった事を母鳥に伝えているのか、子鳥に母鳥がお話をしているのか、もしくは何かいけない事をして叱られているのか。。

これを作っているとき、まだお腹に息子の洸くんはいませんでしたし、これから生まれるなんて想像もしていませんでした。

二匹の鳥は、母鳥が私のお母さんがモデルで、子鳥が私自身だったのですが、今こうして眺めると、洸くんと私の様に見えてきます。

この作品ができてから、すぐに洸くんができたので、何だか不思議な思い入れのある作品です。

洸くんはつかまり立ちをマスターしてから、つかまれるあらゆるものにしがみついて、転んで顔をぶつけます。
青あざだらけです。
これからさらにおっきくなったらもっといたずらをしそうなので、この作品みたいに座って顔を会わせながら、お説教している姿がうかびます。

2009年6月1日月曜日

穴をよける


これは2007年に制作した木版画です。

この鳥は体がとても大きくて、飛ぶ事もできないし、すごくゆっくり歩くことしかできません。
障害物の穴をゆっくりゆっくりよけながら歩いています。

たまにつまづいちゃうかもしれないです。

でも一歩一歩真剣な顔で歩いています。


私の作品は、最初女性の体をモチーフにしていたり、ただの鳥を描いていたりしました。
制作しているうちに、だんだんそれが一体化して鳥人間になり、鳥なんだか恐竜なんだかわからないものになりました。
でも私の中ではあくまで「鳥」なんです。
最近は去年誕生した息子の洸(ひかる)くんがいるので、なんとなく洸くんを意識して作品を作ってます。
それは完成したら、また。。